太陽光パネル設置と耐震性について

重量増加と配置バランス(偏心)の考え方

結論

太陽光パネルの設置により、建物の重量は増加し、地震時の影響は確実にあります。

最終的には、メリット(経済性・非常時の電力確保)とリスクのバランスの中で、どこまで許容するかという判断になります。

また、地震による影響を一切受けたくないという前提であれば、最も確実な選択は「設置しないこと」です。


地震力と重量の関係

建物に作用する地震力は、建物の重量に比例して大きくなります。
そのため、太陽光パネルの設置により地震時の負荷は増加します。


5kW設置時の重量

  • パネル:約230kg

  • 架台含む合計:約300kg前後

屋根には約300kgの重量が追加されます。


屋根の構成と重量(屋根が50㎡の例)

部材

重量(kg/㎡)

50㎡合計

屋根材(スレート)

20

1,000kg

野地板

10

500kg

ルーフィング

1

50kg

垂木

5〜10

250〜500kg

母屋

12

600kg

他の屋根材の重量(ガルバリウム鋼板:5kg/㎡、アスファルトシングル:10kg/㎡、日本瓦40-50kg/㎡)

合計:約2,400〜2,650kg


重量増加の割合

太陽光設備(約300kg)を加えると、

約11〜12%程度の重量増加となります。

重量が増加する以上、地震時の影響がゼロになることはありません。


(補足)パネル重量のイメージ

太陽光設備の重量は、
約3cm程度の積雪に相当する重さです。

建築基準法上、多くの地域では約30cmの積雪を想定した設計となっていますが、

太陽光パネル設置後は、
常に3cm分の荷重が加わった状態となります。

そのため、実際に30cmの積雪があった場合には、
構造的には約33cm相当の荷重となるイメージです。

※あくまで重量感を把握するための目安であり、実際の設計条件とは異なる場合があります。


配置バランス(偏心)の重要性

耐震性を考える上では、重量だけでなく配置バランスも重要です。

建物には
・重心(重さの中心)
・剛心(強さの中心)

があり、これらがズレると地震時にねじれが発生します(偏心)。


偏心が与える影響

偏心が大きくなると、特定の部位に負荷が集中しやすくなります。

この影響は、重量増加よりも大きくなる場合があります。

太陽光パネルは一方向に集中しやすく、偏心を生みやすい設備です。


配置設計の考え方

重量増加は全体に影響しますが、偏心は局所的に強く影響します。

そのため、容量の増減よりも配置バランスを優先する判断が有効な場合があります。

当社では以下を重視しています。

  • 屋根全体への分散配置

  • 一方向への集中回避

  • 重心の偏り抑制


北面設置の有効性

防眩パネルにより北面設置が可能になったことで、配置の自由度が向上しました。

結果として、偏心を抑えやすくなり、耐震性の観点でも有利になります。


まとめ

太陽光パネルの設置により重量は増加し、地震時の影響はあります。

重量だけでなく配置バランスも重要です。

当社では、リスクを正しくご理解いただいた上で、検討されることをお勧めします。

一覧に戻る