太陽光発電は夜に発電できる?仕組み・夜に使う3つの方法と費用を解説 

「太陽光発電を入れたら、夜の電気代もタダになるのかな」 「でも、夜は太陽が出ていないけど発電するの?」

太陽光発電の導入を検討するとき、多くの方がこの疑問にたどり着きます。実は、家庭で電気を最も使うのは夜なのに、太陽光は夜に発電できません。ここを誤解したまま導入すると、「思ったより電気代が下がらない」と後悔しかねません。

本記事では、住宅エネルギー設備を屋根工事から電気工事まで自社一貫で手がけるフリテラスが、太陽光発電と夜の関係を誠実に解説します。読み終える頃には、以下が整理できているはずです。

  • 太陽光発電が夜に発電できない理由

  • 太陽光の電気を夜に使う3つの方法

  • 「夜のために蓄電池は本当に必要か」を判断する考え方

太陽光発電は夜に発電できる?結論と理由

まず結論からお伝えします。

結論:夜は実用上ほぼ発電できない

太陽光発電は、夜間には実用的な電力を生み出せません。理由は、太陽光パネルが発電する仕組みにあります。

太陽光パネルが作るのは直流の電気で、家庭で使うにはパワーコンディショナ(パワコン)という機器で交流に変換する必要があります。このパワコンを起動するには、おおむね50〜100V程度の電圧が必要です。

夜間の月明かりや街灯では、この起動電圧に届きません。ごくわずかな発電量であっても、パワコンが動かないため、結果として家庭で使える電気は生まれないのです。

夜間発電の研究は進むが、実用化はまだ先

「将来は夜も発電できるのでは」と気になる方もいるでしょう。たしかに、夜間でも発電する技術の研究は各国で進んでいます。

たとえば、パネルが夜間に宇宙へ熱を放射する現象(放射冷却)を利用して電力を得る技術が研究されています。

ただし、これらはまだ初期段階です。現時点で住宅に導入できる現実的な選択肢ではない、と正直にお伝えしておきます。

夜こそ電気が必要なのに発電しないジレンマ

太陽光が夜に発電できないことは、家庭にとって意外と大きな意味を持ちます。

家庭の電力消費ピークは20時前後

一般家庭で電気を最も使うのは、家族がそろう夜です。一般家庭での電力消費のピークは20時ごろとされ、在宅率が高まり、照明・テレビ・家電が同時に使われる時間帯にあたります。

つまり、電気が一番欲しい時間帯に、太陽光は発電を終えているのです。「昼に発電のピークが来て、夜に消費のピークが来る 」このズレが、太陽光発電の使い方を考えるうえで重要になります。

太陽光は「貯められない」のが前提

もうひとつ押さえておきたいのが、太陽光発電そのものには電気を貯める機能がない、という点です。発電した電気は、その場で使うか、電力会社に売る(売電する)かのどちらかしかありません。

そのため、設備をつけただけでは、昼の余った電気を夜に回すことはできないのです。

太陽光発電の電気を夜に使う3つの方法

では、太陽光の電気を夜に使うにはどうすればよいのでしょうか。現実的な方法は、大きく3つあります。

方法

仕組み

主な向き不向き

蓄電池に貯める

昼の余剰電力を貯めて夜に放電

停電対策・夜間自家消費を重視する方

EV+V2H

電気自動車を大容量の蓄電池として使う

すでにEVがある/導入予定の方

深夜電力の活用

割安な夜間料金で買った電気を使う

設備投資を抑えたい方

それぞれ見ていきます。

蓄電池に貯めて夜に使う

最も知られている方法が、家庭用蓄電池の導入です。昼に発電して余った電気を蓄電池に貯めておき、発電できない夜に放電して使います。停電時の非常用電源にもなる点が大きな特徴です。

ただし、蓄電池は決して安い買い物ではありません。費用対効果については後ほど詳しくお伝えします。

EV+V2Hで車に貯めて家で使う

電気自動車(EV)をお持ちの方、または導入予定の方には、EVとV2H(Vehicle to Home:車から家へ電気を送る機器)の組み合わせという選択肢があります。

EVの大容量バッテリーを、いわば「動く大型蓄電池」として活用する考え方です。昼に太陽光で充電し、夜はその電気を家庭で使います。フリテラスの考えでは、経済性を重視するなら、専用の蓄電池を買い増すより、EV+V2Hのほうが合理的なケースが多いと見ています。

深夜電力プランと組み合わせる

設備投資を抑えたい場合は、電力会社の時間帯別料金プランを活用する方法もあります。多くの電力会社では、電力需要の高い日中は割高、需要の低い夜間は割安となる時間帯別プランを用意しています。

昼は太陽光の電気で過ごし、夜は割安な深夜電力を使う、という組み合わせです。蓄電池を持たない家庭でも、生活リズムの工夫で電気代を抑えられます。

夜のために蓄電池は必要?価格と用途で判断する

「夜に使うなら蓄電池」とすすめられることは多いですが、フリテラスは少し違う立場をとっています。蓄電池は「買うべきかどうか」ではなく、「いくらで買えるか」と「何に使うか」で判断する設備だと考えています。

蓄電池は「元が取れる」とは限らない

蓄電池は、電気を新たに生み出す設備ではありません。昼の余剰電力を夜に回すだけの設備です。その経済効果は、おおむね次の式で表せます。

経済効果 =(電気代単価 − 売電単価)× 増えた自家消費量

弊社で標準的な前提を置いて試算してみます(あくまで一例で、前提条件により結果は異なります)。

項目

数値

太陽光容量

5kW

年間発電量

6,000kWh

売電単価

9円/kWh(卒FIT後を想定)

電気代単価

37円/kWh

蓄電池による自家消費率の増加

30%→70%(+40%)

この場合、蓄電池によって自家消費に回せる電気が年間約2,400kWh増えます。差額28円(37円−9円)を掛けると、年間およそ67,200円、15年で約100万円の効果という計算になります。

一方、一般的な蓄電池の価格は150万〜250万円程度。この試算では、蓄電池単体では元が取りにくいことが見えてきます。「夜のために蓄電池を入れれば必ずお得」とは言い切れないのが現実です。

自己負担70〜80万円以下なら成立する可能性

ただし、これは補助金を考慮していない場合の話です。補助金によって自己負担が70〜80万円以下まで下がれば、経済的にも成立する可能性が出てきます。

経済性以外で蓄電池を選ぶ理由

蓄電池の価値は、お金の損得だけではありません。停電対策を最優先するなら、定置型蓄電池は有力な選択肢です。常に家にあり、夜間も使え、停電時に自動で切り替わり、EVの有無にも左右されません。

用途を整理すると、判断しやすくなります。

目的

適した設備

経済性を重視したい

EV+V2H

常時バックアップ電源がほしい

定置型蓄電池

少量の電気を夜に使えれば十分

ポータブル蓄電池

あなたに合うのはどれ?夜の電気の選び方

ここまでをまとめます。太陽光発電は夜に発電できませんが、夜に電気を使う方法はあり、正解は人それぞれです。

ご自身の状況に当てはめてみてください。

  • 電気代をできるだけ抑えたい/EVがあるなら、EV+V2Hが有力です

  • 災害・停電にしっかり備えたいなら、定置型蓄電池が安心です

  • 大きな投資は避けたいなら、深夜電力プランの活用から始められます

大切なのは、「みんなが入れているから蓄電池」ではなく、ご家庭の電気の使い方と予算に合わせて選ぶことです。

フリテラスでは、屋根の傾き・大きさ・方角に基づいた発電シミュレーションや、ご家庭に合った夜間活用のご提案を承っています。価格と用途のどちらで考えるべきか迷われている方は、お気軽にご相談ください。屋根工事から電気工事まで自社一貫で対応し、誇張のない判断材料をお届けします。


arrow_back

columns list

関連記事

2026/6/26

太陽光発電の農地転用とは?できる農地・手続き・費用を2026年最新で解説 

「相続した畑をそのままにしている」「使わなくなった農地を太陽光発電で活用できないか」。そう考えても、農地は勝手に用途を変えられないと聞いて、手が止まっている方は少なくありません。実際、農地での太陽光発電には「農地転用」という手続きが必要で、無断で進めると重い罰則の対象になります。一方で、転用できる農...

2026/6/26

太陽光発電は昼間に使うが正解|売電より得する自家消費の方法と注意点 

「共働きで昼間は家にいないのに、太陽光発電をつけても損なのでは」 「導入したものの、思ったほど電気代が下がらない」太陽光発電を検討中の方や、導入したばかりの方から、こうした声をよくいただきます。結論からお伝えすると、いまの売電制度のもとでは、発電した電気は「売る」よりも「昼間に自分で使う」ほうがお得...

2026/6/26

自己託送とは?仕組み・メリット・要件をわかりやすく解説

電気代の高騰や脱炭素への対応で、再生可能エネルギーの導入を検討する企業が増えています。その手段のひとつとして注目されるのが「自己託送」です。しかし、「名前は聞くけれど仕組みがよくわからない」「自社でも使えるのか」と感じる方も多いのではないでしょうか。本記事では、自己託送の仕組み・利用要件・メリット・...