FITとは?固定価格買取制度の仕組みと2026年度の売電価格をわかりやすく解説

「太陽光発電を検討していたら、業者から『FITで売電できますよ』と言われた。でも、FITって結局なに?」
そんな戸惑いを抱えていませんか。電気代が上がり続けるなか、太陽光発電は気になるものの、聞き慣れない言葉が多くて判断に迷う方は少なくありません。
本記事では、FIT(固定価格買取制度)の仕組みを、これから太陽光を検討する方に向けて一から解説します。2026年度の最新の売電価格や買取期間、卒FIT後の選択肢、そして「売電と自家消費はどちらが得なのか」までお伝えします。
FITとは?固定価格買取制度の仕組みをわかりやすく解説
まずはFITの基本を押さえましょう。本章では以下の2点を解説します。
FITとは何か(制度の定義と目的)
FITの対象になる再エネと、制度を支える「再エネ賦課金」
FIT(固定価格買取制度)とは|国が一定価格・一定期間の買取を保証する制度
FITとは「Feed-in Tariff(フィード・イン・タリフ)」の略で、日本語では「固定価格買取制度」と呼ばれます。再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定の価格・一定の期間にわたって買い取ることを、国が保証する制度です。
この制度は、再生可能エネルギーの普及を目的として、2012年7月に始まりました。
太陽光発電のような再エネ設備は、導入時の初期費用が高く、普及のハードルになっていました。そこで一定期間の買取価格を国が保証することで、「どれくらいで初期費用を回収できそうか」の見通しを立てやすくし、導入のハードルを下げる狙いがあります。
FITの対象になる再生可能エネルギーと「再エネ賦課金」
FITの対象になる再生可能エネルギーは、太陽光・風力・水力・地熱・バイオマスの5種類です。このうち本記事では、戸建て住宅で導入が多い太陽光発電を中心に解説します。
ここで知っておきたいのが、買取の原資です。電力会社が再エネ電気を買い取る費用は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」として、電気を使うすべての家庭・企業の電気料金に上乗せされています。
再エネ賦課金の単価は年度ごとに見直され、2026年度(2026年5月検針分〜2027年4月検針分)は1kWhあたり4.18円です(経済産業省、2026年3月公表)。電力使用量が月400kWhの家庭なら、月額およそ1,672円の負担になる計算です。
つまりFITは、「再エネを導入する人」と「電気を使うみんなで支える」という構造の制度だといえます。
FITの2026年度の買取価格と期間|2段階制で何が変わった?
ここが、これから太陽光を検討する方にとって最も気になるポイントです。本章では下表の2点を解説します。
項目 | 概要 |
|---|---|
買取期間 | 住宅用(10kW未満)は10年間。満了後は卒FITへ |
2026年度の買取価格 | 「最初の4年24円・5年目以降8.3円」の2段階制に |
住宅用太陽光(10kW未満)の買取期間は10年間
出力10kW未満の住宅用太陽光発電の場合、FITによる買取期間は10年間です(資源エネルギー庁)。
住宅用FITは、発電した電気をまず自宅で使い(自家消費)、余った分を売電する「余剰売電」が基本です。制度設計上も、自家消費30%・売電70%が前提となっています。
そして10年が経過すると買取期間が満了し、いわゆる「卒FIT」を迎えます。
2026年度は「最初の4年24円・5年目以降8.3円」の2段階制
2025年10月から、住宅用FITに大きな変更が入りました。「初期投資支援スキーム」と呼ばれる仕組みで、買取価格が次の2段階に分かれたのです(経済産業省、2025年3月公表)。
最初の4年間:24円/kWh
5年目〜10年目:8.3円/kWh
従来のFITは、買取価格が10年間ずっと同じでした。今回の変更で「最初の数年を手厚くし、初期投資の回収を早める」という設計に変わったわけです。
参考までに、住宅用の買取価格はこれまで次のように推移してきました。
2012年度:42円/kWh
2024年度:16円/kWh
2026年度:24円(〜4年)→8.3円(5〜10年)
買取価格が年々下がってきた背景には、太陽光発電の設備コストの低下があります。普及が進んで導入費用が下がったため、国による手厚い支援がなくても導入しやすくなった、という事情です。
FITで太陽光は得する?売電と自家消費のどちらを軸にすべきか
「FIT=売電で儲ける制度」というイメージをお持ちの方も多いかもしれません。しかし、今はその考え方が現実とずれてきています。本章では次の2点を解説します。
電気代と売電単価の逆転(今は「売るより使う」が基本)
実際の発電量は屋根条件で変わること
電気代単価と売電単価の逆転|今は「売るより使う」が基本
太陽光で発電した電気には、2つの使い道があります。電力会社に売る「売電」と、自宅で使う「自家消費」です。
ここで単価を比べてみましょう。家庭が電気を買うときの単価は、近年の高騰でおおむね37円/kWh前後です。一方、卒FIT後に売電する場合の単価は9円/kWh前後まで下がります。
つまり、9円で売るより、37円で買うはずだった電気を自分で使う方が、家計には効きやすいのです。弊社の考えでは、これから太陽光を導入する方は「売電で稼ぐ」より「自家消費で電気代を減らす」を軸に検討することをおすすめします。
そもそも住宅用FITは、前述のとおり自家消費を前提に設計された制度です。売電だけを狙う時代ではなくなってきている、という点は押さえておきましょう。
実際の発電量・売電額は屋根の条件で変わる
ただし、「自家消費で得になる」といっても、効果の大きさはご家庭ごとに異なります。発電量は、屋根の傾き・大きさ・方角によって大きく変わるためです。
フリテラスでは、こうした屋根の条件をもとに発電シミュレーションを行えます。ご自宅でどれくらい発電が見込めそうかを、数値で確認していただけます。
一方で、シミュレーションには限界もあります。周辺の建物や樹木によってできる影の影響までは、計算に織り込めません。そのため、実際の発電量がシミュレーション結果と差が出る可能性があります。この点は、ご相談の際にあらかじめ正直にお伝えしています。
FITが終わったらどうなる?「卒FIT」後の選択肢
10年の買取期間が満了した後はどうなるのでしょうか。本章では下表の2点を解説します。
項目 | 概要 |
|---|---|
卒FITとは | 買取期間が満了し、売電単価が下がること |
蓄電池の判断 | 「入れれば得」ではなく、価格と用途で判断 |
卒FITとは|10年の買取期間が満了し売電単価が下がること
卒FITとは、FITの買取期間(住宅用は10年)が満了することを指します。満了後は国による固定価格の保証がなくなり、売電単価は各電力会社が設定する価格になります。その水準は、おおむね7〜11円/kWh程度です(各電力会社公式)。
卒FIT後の主な選択肢は、次の3つです。
売電を続ける(より高く買い取る電力会社へ乗り換えることも可能)
自家消費を増やす(昼間に発電した電気を使う生活に切り替える)
蓄電池やEV+V2Hで電気を貯めて使う
どれが合うかは、電気の使い方やライフスタイルによって変わります。
蓄電池は「入れれば得」ではない|価格と用途で判断する
卒FIT対策として蓄電池がよく勧められますが、弊社は少し慎重な立場をとっています。
蓄電池の価格は一般に150万〜250万円程度で、電気代の削減分だけで本体価格を回収するのは難しいケースが多いためです。蓄電池は電気を生み出す設備ではなく、昼の余剰電力を夜に回すだけの設備なので、削減効果には上限があります。
ただし「蓄電池はダメ」というわけではありません。補助金によって自己負担が抑えられる場合や、停電対策・非常用電源としての用途を重視する場合には、十分に価値が出ます。
弊社の考えでは、蓄電池は「買うべきかどうか」ではなく「いくらで買えるか」「何に使うか」で判断する設備です。詳しい判断の目安は、別記事でも解説しています。
まとめ:FITは「売電で儲ける制度」から「自家消費を支える制度」へ
FIT(固定価格買取制度)について、要点を振り返ります。
FITは、再エネ電気を国が定めた価格・期間で買い取ることを保証する制度(2012年開始)
住宅用の買取期間は10年。2026年度は「最初の4年24円・5年目以降8.3円」の2段階制
電気代単価と売電単価が逆転した今は、「売電」より「自家消費」が基本
10年で卒FITを迎え、その後は売電継続・自家消費・蓄電池などから選ぶ
蓄電池は価格と用途で判断。補助金は変動するため最新情報の確認を
フリテラスは、太陽光のメリットだけでなく、注意点やデメリットも正直にお伝えすることを大切にしています。「我が家の屋根だと、どれくらい発電・売電できるのか」「補助金は使えるのか」「屋根の状態は大丈夫か」といった疑問は、屋根の条件をもとにしたシミュレーションや点検で確認できます。
太陽光発電やFITについて気になる点があれば、お気軽にご相談ください。
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